稼げる宅建士になる!(6)市場調査の実務は奥が深い
前回までは物件の調査の事を書きましたが、今回は市場調査のことについて書いていきます。
市場調査とは、かなり幅が広く社会情勢や経済の事、需給関係、相場のこと等の動向を調査します。これらのデータを元に仮設で設定した業種が成立するか検証していくことになります。
目次
市場調査ってどんなことするのか
宅建士で居住用の賃貸・売買をしていたらあまり市場調査をすることはないかもしれません。一旦は下記の概要をイメージしていただけたら結構です。
1.マクロ市場調査(国内、海外含め広域)
2.周辺市場調査
- 周辺動向調査(過去から現在まで)
- 今後の動向調査
- 分譲物件調査
- 商圏調査
- 同一需給圏調査
- 消費動向
- 所得調査
3.事業費関連調査
上記を見ると、かなりの事を調査しなければならないことが分かると思います。稼げる宅建士になるためには避けて通れませんので一つ一つクリアしていってください。
少し話はそれますが、私は何事もコツコツとすることが大切だと思います。仕事でも勉強でも急に成果が出るわけではなく日々の積み重ねが大切。人間怠け者ですのでサボりたくなるのはよーく分かります。
しかし、やらなければ現状のままで成長しませんので目標達成のために勉強していきましょう。みんながめんどくさいと思うことは逆にチャンスになったりしますしね。
ブログの更新を頻繁にできていない人に言われても説得力はないかもしれませんが(笑)
では、市場調査の話に戻りますが最初に見ていくのはマクロ市場調査です。
マクロ市場の分析はなんで必要なのか
土地の有効活用に関しては、工事の着工から完成までではなく、賃貸管理を含め運用期間が長期にわたることになります。固定資産の償却期間も40年以上になりますし、金融機関から借入をすると20年以上になることが多いです。
宅建士として企画立案書を作成する場合、事業収支はこうした長期に関係してくる賃料・税金・金利について見通しをつけ、予測を交えながら設定していくことになります。
企画立案するに当たっては、リスクのすべてを予想するのは不可能ですが、過去の経験から予測される範囲の変動の中でリスクを吸収する必要があります。また、仮に不測の事態が起きたときも対応できるように策を施されているものでなければなりません。
従って、国内の経済動向(現在では海外も含め)と無縁の企画書では中途半端ですし成果物は微妙な内容になります。企画提案の提案時点における経済環境分析は当然であり過去の経験を元に今後の見通しを立てることは非常に重要になります。
マクロ市場の分析はどの程度までするべきか
企画提案の内容が、売却の場合のように短期間のものか、有効利用による長期間のものかによってマクロ市場の分析内容も変わってきます。
マクロ市場の分析は、広い視野にたった見方をするので、周辺市場の分析とは違いあまり細かく分析する必要はないです。データをどのように読み取るかが重要でありキーワードを整理すると分かりやすいです。
※いくつかキーワード書いておきます。
- グローバル化
- 人口問題
- 高齢化
- 二極化
- 格差社会
- 少子化
- 晩婚化
参考にグローバル化について簡単に見てみます。
※あくまで参考ですので、数値や根拠は正しいとは限りません。
年々海外から日本に来る外国人が増えている。旅行で来ている人もいるが留学や働きに来ている人も訪日数の10%はいるよう。
↓
都道府県別に見ると▲▲県の外国人がかなり増加している。
↓
さらに調べると、○○市に関しては全国平均より15%多く外国人が増えている。
↓
原因を調べたところ□□大学で国際学部が出来たことにより外国から留学で来る人がかなり増加。さらに調査したところタイ人の人が多い。
↓
現在校舎も増築中で偏差値、就職率も高く今後も人数が増えると思われるので外国人(タイ人)向け賃貸物件はどうか。
簡単に書いていますので少し現実とは違うと思いますがマクロ市場データから、仮説を立てどんどん絞っていくようなイメージです。
どうやってマクロ市場のデータを取得するか
インターネットや、新聞、本などからの情報収集が基本になります。本や雑誌は政府刊行物、シンクタンクやビジネス系出版社から出ているもの。
インターネットでもかなりの情報がありますのでマクロ史上のデータを知るためには国のデータを利用するのがいいです。
例えば外国人の訪日数なんかでしたら、日本政府観光局なんかにデータがあります。
- 日銀短観
- 景気動向指数
- 月例経済報告
- 経済財政白書
- 地域経済動向
- 金融経済月報
- 国土交通白書
- 土地白書
集めた情報をどのように利用するか
企画提案書を作成するためのデータを集めるという作業は、大変な労力と時間を必要とします。日ごろから、情報を整理していつでも取り出せるようにしておかなければなりません。
情報収集の仕方も何となく集めるのではなく、必要な情報を絞って効率的に集める必要があります。日ごろからデータを集め整理しておけば必要に応じて使うことができますからね。
マクロ市場についてはここまでです。次回は、周辺市場の動向調査について書いていきます。