初めての宅建士としての実務!!気を付ける6つのポイントとは
宅建士として実務をする場合、最低限気を付けなければならないことがあります。早速ですが見ていきましょう。
目次
不動産の調査は義務が無いだって
不動産の取引を行う場合、仲介する不動産会社は必ず物件の調査を行います。どの業者も調査はやっていますが、宅建業法を読んでみますと調査をしなければならないとは決まっていません。
不動産についての説明義務はありますが、調査の義務はないんですね。では、よく知っている不動産なので説明出来たら調査しなくてもいいのかというと、プロとして調査をするのが当然だと解釈されています。
不動産調査はだれでも分かることは調査しなければならない
詳細に、何を調査しなければならないか決まっていないということで、どの範囲を調査をしなければならないか分かりづらくなっています。そのため、自分たちで調査の基準をつくらなければならないです。
一から調査基準を考えるのもありですが、なかなか大変です。
そこで、裁判所の判例をもとに、「宅建業者としての責任を果たしたか」「後日問題にならないか」という点から基準を作ることになります。下記の点を参考にします。
- 誰でも、見たり聞いたり、調べればわかることは調査する必要がある。(消費者が見てもわかるようなことは調査して説明しなければならない)
- 高い専門性が必要なことまで調査する必要はなく、責任も負わないが注意を促すことは必要である。
- 依頼者がそれを知らないと不利益を被ることは伝えなければならない
- 調べられる範囲内で調べていれば責任は生じない
具体的な案件ごとに違う判断があるかもしれませんが、大きな流れとしては上記4点が基本の考え方です。調査基準の範囲はこの基本をベースとして決めていくことになります。
専門家に任してしまった方がいい
先程の、「高い専門性が必要なことまで調査する必要はない」というポイントですが注意ポイントがあります。基本的に、素人の宅建士が地盤調査や耐震診断をするなどはやめておいた方がいいです(特別の知識や資格、機材を使う調査)。
専門分野は専門家に頼むのが、自分にもお客様にも一番いいです。専門家に頼むのはいいのですが、宅建士としてすべての事を無視していいわけではありません。
目で見て分かるような場合は注意をしてあげる必要があります。「この建物傾いてますね。」、「地面に大きな石が埋まってますね」などなど。
注意をした上で、「専門的なことは責任がとれないので、取引に重要だとお考えでしたら専門家を紹介しますので調査依頼しましょう」と伝えておきます。
素人から見たら、目の前にいる宅建士は不動産の事は何でも知っていると思われているでしょう。そのため、場合によっては建築士や、土地家屋調査士等の専門家への相談が必要になることがあると伝えておきましょう。そうしておかないと後日無用なトラブルを招くことにもなりかねませんので。
依頼者の不利益に当たるかを見極める
依頼者の目的によって、不利益になるかならないかは変わってきます。たとえば、古家を解体して新築を建てるのだったら、古家がどのような状態でも問題ありません。
解体して、新しく建てなおすのだから、依頼者の不利益にはならず責任は問われないということです。
一方、古家をそのままの状態で利用する場合は、建物の状態が大きなポイントになります。このように、依頼者の目的によって調査範囲は変わってきます。
お客様のために最善を尽くしたか、もう一度考える
調べられる範囲で調査しておけば責任が生じないとういうのも重要です。特に不動産の場合は、所有者しか知りえないことが多くあります。所有者が話をしてくれなかった事については調査も限界がありますので。
そういった場合は、「所有者からの聞き取りで、ここまでは分かりました」「所有者以外にも調査をしましたが問題ないようです」と依頼者に現状をそのまま伝えれば責任は生じないと考えていいでしょう。
しかし、本当にお客様のために最善を尽くしたかをもう一度考え抜けてる事項があれば調査をする必要があります。
調査の定義づけが重要
不動産の調査とは何か。この不動産がどのようなものなのかを誰にでも分かりやすく説明できるようにすることです。
見ただけで、分かるのはほんの一部で、権利関係や法律関係、税金などを調べてみなければ本当の姿が理解できないからです。
そのことに関しては、依頼者もよく分かっています。分かっていたら自分で気軽に調べて購入しますからね。
一方、依頼者が不動産会社(宅建士)に求めている事とはなにか!!「不動産の目に見えない事」、「気付かない事」、「見ても分からない事」という3つの「事」によって目的が達成できず、不利益を被らないようにすることです。
したがって、不動産会社(宅建士)は、「不動産の目に見えない事」、「気付かない事」、「見ても分からない事」についても明らかにしなければならないということが分かると思います。
ここまで、書いてきたことを基準に、この「3つの事」に注して会社ごとに何を調査すべきか範囲を決めていくことになります。
簡単にまとめると、不動産の調査は、不動産を誰にでも分かりやすいものにするということです。調査は基本中の基本ですが、かなり大事なので力を入れて取り組みましょう!