宅地建物取引士(宅建士)が手掛ける不動産コンサルティング<業務分野や領域>
今日、不動産に関する業務内容が高度化しているのは前の記事で書きました。現状法律にて不動産コンサルティングを独占して業と出来る資格もなく比較的自由に業務を行っていると思います。
「自由にできるから」と「誰でも出来るから」とは違いますので正直なところ能力不足の人も多くいるのが現状です。扱う財産の金額も大きいですし、損害が出れば補償しきれない場合もあります。このような環境はお客様にとっても好ましくないので最低限の能力担保は必要になってくるでしょう。
ここで、最低限の能力担保の役割を担うのが宅地建物取引士(宅建士)試験になってきます。
目次
業務の具体的分野や領域はどうなっているか
不動産のコンサルティング業の業務領域や分野といったら何を思い浮かべますか?一般的には、土地の有効活用に関する提案や調査、売却、相続税対策のための不動産取得等があげられると思います。
あっていると言えばあっているのですが、とても小さな枠組みの一部にすぎません。他にもかなり業務内容のボリュームがありますので少し書いておきます。下記に列挙しているのは、ほんの一部なので不動産コンサルティング業務の領域がかなり広いことはお分かりになると思います。
業務をこなせる人が少ないので、宅地建物取引士(宅建士)の業界全体で人員不足を補っていかなければいけないでしょう。
不動産コンサルティング業務の分野・領域(一部)
1.事業系コンサルティング
1-1.事業企画
- 相談
- 市場調査
- 物件調査
- 権利調整
1-2.企画提案
- 企画書作成
- 基本協定書作成
1-3.事業手法
- 事業受託方式
- 等価交換方式
- 処分方法
- 応用事例
(1)相続対策コンサルティング
(2)公共用地に関する被補償コンサルティング
(3)競売コンサルティング
(4)不良債権処理コンサルティング
(5)定期借地権コンサルティング
(6)再開発に関するコンサルティング
1-4.事業計画の策定
- 基本構想の策定
- 事業方式の検討
- 市場流通の検討
- 事業成立・継続の検討
1-5.具体的な事業企画
- アパート経営
- 賃貸マンション
- 賃貸オフィス
- 物流倉庫
- 商業施設
- 立体駐車場
- ロードサイド店舗
- アミューズメント施設
- ホテル
- ゴルフ場
- 複合施設
1-6.建物設計施工計画
- 実施計画の作成
- 近隣対策
- 許認可・届出
- 竣工
1-7.賃貸管理
- 賃貸管理業務の企画
- 賃貸条件設定
- テナント営業
- テナント管理
- リニューアル・リノベーション
2.調査系コンサルティング
2-1.不動産市場分析(調査・予測)
- 景気調査
- 消費調査
- 設備投資調査
- 公共投資調査
- 国際調査
- 金融調査
- 労働調査
- 物価調査
- 財政調査
2-2.エリアマーケティング
- 不動産マーケティング
(1)市場・商圏設定
(2)市場調査
(3)需要・供給調査
(4)価格・賃料調査
- データベースの活用・統計データ活用
3.不動産投資運用系コンサルティング
3-1.不動産投資顧問業
- 不動産投資顧問業(助言)
3-2.デューデリジェンス
- 法律上の調査
- 建築構造・設備の調査
- 経営上の調査
- 環境上の調査
3-3.不動産ポートフォリオ
- 企業経営分析
- 保険のコンサルティング
- 金融商品のコンサルティング
- 事業承継コンサルティング
- 株式評価コンサルティング
3-4.売却・処分コンサルティング
- 手法の比較検討・選択
3-5.不動産証券化コンサルティング
- 手法の比較検討
(1)資産流動化法
(2)プライベートファンド
(3)不動産投資信託(J-REIT)
- スキームの作成
- ストラクチャードファイナンス
4.不動産特定共同事業系コンサルティング
4-1.不動産特定共同事業
- スキーム作成
4-2.業務管理者の役割
不動産コンサルティング業務領域は、ざっくりとこのような感じになります。具体的な業務事例に関しては、後ほど書きますのでお待ちください。
宅地建物取引士(宅建士)の業務範囲は弁護士・行政書士並に幅が広いので本来であればかなりの勉強をして、専門分野を作る必要があるのですが業界的にはそれほど専門特化している会社は知りません。
今からどの分野を重点的に攻めるか考えておくのもいいと思います。
タグ:不動産コンサルティング, 宅地建物取引士, 宅建士