宅建士が扱う不動産コンサルティング業務の報酬について

前の記事では不動産コンサルティングの要件について書きました。宅建士が扱う不動産コンサルティングについては業務委託契約書は必ず作ってくださいね~って書いてたことは覚えてますか?

宅建業の仲介と不動産コンサルティング業務の境界があいまいになると報酬に関してお客様とトラブルになったりしますから。

では、今回は不動産コンサルティングに係る報酬について書いていきます

 

1.不動産コンサルティングの報酬をめぐる諸事情

1-1.不動産コンサルティングに関しては、弁護士や税理士、行政書士等のように「弁護士法、税理士法、行政書士法」など業務を規制するような法律がありません。不動産コンサルティング業法が無いので、報酬に関しては上限は存在しません。

※宅地建物取引士(宅建士)は報酬上限が決まっているのはみなさんご存知だと思います。

1-2.では、どのように報酬を決めるのかというと、料金表などで簡単に決めれたらいいのですが、なかなかそれが難しい。案件で難易度や調査量が変わりますから正直個別に決めることが多くなると思います。

どうしても料金表を作りたいのでしたら、弁護士報酬などのように

 

a.着手金+成果報酬[物件価格×]〇%(成果は計りにくいので完了報酬になると思います)

b.基本料〇万円+完了報酬的

c.完全に費用・報酬を積み上げていく(コストアプローチ法)

 

等のようになるかと考えられますが‥‥。

 

不動産コンサルティングの報酬を画一的に決めにくいのは以下のような理由があります。

・不動産コンサルティング業務の報酬額については、宅建業のように対象不動産の価格×料率で算定(先程書いた計算式です)すればいいではないかと言われていますが、不動産コンサルティング業務の中には投資物件の収益分析や予測などの業務もあり、必ずしも不動産の価格を基準にするものではないものがある。

・不動産コンサルティングをある程度の業務類型には区分することはできますが、同一の区分であっても業務の範囲、内容や質、量が大きく異なる。

・不動産コンサルティング業務は、今後経済的・社会的ニーズにより新たな業務の類型が出てくる可能性があります。新たな業務分野などは個別に報酬など定められる可能性がある。

・不動産コンサルティング業務の報酬を統一的、具体的に決めることは事業者団体が一定の取引分野における競争を制限しているとして独禁法違反になる可能性がある。

 

弁護士なども報酬額の基準を定めていないのは独禁法に違反するからなのです。昔の報酬額を今も使っている方もよくいますがね。

※ちなみに、宅建士の報酬が独禁法違反にならないのかというと、国交省大臣が告知し、報酬額を決めているからです。

よって、不動産コンサルティング業務の報酬については、個別に宅建士が算定することになります。

 

2.欧米の不動産コンサルティング報酬の状況

アメリカでは、不動産ブローカーの地位がかなり高いことは前の記事で書きました。そのアメリカのコンサルティング報酬の提示・決定方法の概要を見ていきましょう。

2-1.報酬決定方法

欧米の不動産コンサルタントの報酬の決め方ですが、民間レベルで統一的な基準があるわけではありません。実際に公表されることはほとんどないのですが、参考にするなら欧米の弁護士報酬の算定方法と考え方が似ています。

 2-2.実際の報酬決定方法

クライアントからのコンサルティングの依頼について、案件を仕上げる時間をコンサルタントが判断して料金を決める。(いわゆるタイムチャージ)

コンサルタントの実力(単価)、作業の緊急度を考慮して見積もりを出す方法です。

2-3.プロジェクト報酬

プロジェクトの大きさにより、時間制の報酬よりもプロジェクトの取引金額を基にした方が妥当な料金設定になる場合は、取引金額を基に%をかけて算出した金額を報酬額とする場合もあります。

2-4.報酬額の変更など

クライアントとコンサルタントの信頼関係を維持するため、基本的には報酬額は変更してはいけません。事前に書類などで報酬額を提示し了解を得ることが大切ですが、予想外の出来事などが発生した場合は、報酬額の変更も考えられます。

その場合でも、事前にクライアントに説明し了承を得ておかなければ問題になるので報酬が発生する前に報告し承諾を得る必要があります。

 

3.不動産コンサルティングの報酬算定の考え方

実務上、ノウハウの提供や技術料は算定が難しく、依頼者がコンサルティングの内容についてどのような価値を感じてくれるかに左右されざるをえないです。

コンサルティングの内容や難易度により実態に合わせた報酬の金額と支払方法を決めることなります。報酬の決め方等を整理すると次のようになります。

 

3-1.不動産コンサルティング業務委託契約書に、業務に係る費用や報酬を必ず記載する。

3-2.さまざまな種類の不動産コンサルティング業務はすべての事例に適用できる算定方法はコスト・アプローチ法(費用接近法)である。

この方法は、業務内容をそれぞれの作業項目に分解し、各業務の質や量に応じた費用を算出し、それに技術料を付加したものを積み上げていく方法です。

3-3.不動産コンサルティング業務をする場合は、経験の格差が報酬に反映される仕組みを採用し公正な競争条件の下、業務水準の向上を図る。

 

不動産コンサルティング業をしている人を探す場合、経験等がデータベース化されていれば分かりやすいんですが。弁護士などでも当たりはずれがありますので、この点は今後の課題になるのでしょうが‥‥‥。

 

業務報酬の算定方法の一例としてこのページの(- 36 -)に記載されていますので参考に見て下さい。

※不動産コンサルティング業務の見積書がほしい方はご連絡ください。

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